研究紹介

1.温度走性の神経制御モデル

 C. elegansの神経系は、302個の神経細胞(ニュ−ロン)より形成され、 各々のニュ−ロンを生きたまま同定することが可能である。 温度走性に関与するニュ−ロンを機能的に同定するために、 色素レ−ザ−を用いて個々のニュ−ロンを殺傷する実験を行い、 温度走性の神経回路モデルを提唱した。 その結果、AFDと呼ばれる1対の感覚ニュ−ロンが温度受容に最も重要であること、 また、AFD温度受容ニュ−ロンからのシグナルが伝達されるAIYとAIZ介在ニューロン間の直接 あるいは間接的な拮抗的神経制御が温度走性行動の可塑性に重要であることが示唆された(図1)。

図1 
レ−ザ−殺傷実験により同定された温度走性に関与する感覚および介在ニュ−ロンとそれらの制御モデル。
T(Thermophilic): AIYは高温に移動するために必要。
C(Cryophilic):AIZは低温に移動するために必要。

1.温度走性の神経制御モデル

2.温度走性に関与する遺伝子

3.神経回路の活動の生理学的モニタリング

4.飼育温度忌避行動の分子機構ー記憶・学習の解明を目指して

http://bunshi3.bio.nagoya-u.ac.jp/bunshi0/index.html