直線TTX assay protocol
041008 by Hiroko ITO
装置・材料
直線温度勾配装置
扇風機2つ、空調
TTXプレート:栄研2号角シャーレ(14/10/1.45cmH)に通常のTTXプレート用寒天を18mlずつまく。
アルミ板(14/10/0.1cm)
エサをまいたNGM寒天培地プレート(直径6cm):NGMプレート
S Basal Buffer
dH2O
15mlプラスチック製試験管
ピペットマン(1000ul, 20ul)
チップ 110黄:先を、内径1.5mmとなるように切り取っておく。
パスツールピペット
クロロホルム
廃液入れ:上清を捨てるため。アッセイ後は、オートクレーブしてから捨てる。
全体的な注意点
空調の風向きは、直線温度勾配装置上のプレートに直接あたらないように調節する。
アッセイ用の線虫は小さなインキュベータで育てる。
洗浄の操作は、できるだけ速やかに行う。
個体をプレートにのせた後、水分を残さない。
操作
1 アッセイの4〜5日前に、NGMプレートにL4幼虫を1個体ピックする*1。
2 S
Basal BufferとdH2Oは、前日から20℃インキュベータに入れて20℃にしておく。
3 アッセイの12時間前に、直線温度勾配装置の恒温槽のスイッチをつける。空調は25℃にし、扇風機で空気をかきまぜておく。
4 アッセイ開始までに、TTXプレートの表面を、室温で30分間、乾燥させる(ドラフトは使わない)。
5 乾燥させたTTXプレートの裏に、油性ペンで、プレート全体を8等分するように(1.75cm間隔で)直線を引く。低温側(L)、高温側(H)を記入し、日付、(アッセイする台の)左か右かの区別、および株名をプレートの隅に記入する。さらに、中央線に沿って3カ所、線虫を置く位置の印を付けておく。各ラインとも、アッセイ用TTXプレート(温度勾配あり)と、そのControl用TTXプレート(温度勾配なし)を用意する。
6 直線温度勾配装置のアルミ台の表面温度を、左右の台とも、それぞれ低温側から25cmと30cmの2カ所について測定する。また、アルミ台の表面温度が20℃である位置を確認しておく。
7 直線温度勾配装置にアルミ板をおき、水道水を約10mlたらしてから、TTXプレートをおく*2。プレートからはみでた水は拭きとる。アルミ台の表面温度が20℃である位置をTTXプレートの中心線と一致させる。1つのアルミ台につき2枚アッセイできる。
8 young
adultかadultが多いNGMプレートを使用する。卵はたくさん産まれていてもよいがL1幼虫が孵化していないこと。
以下の操作は、すべて20℃の水槽中で行う*3。
9 15〜20枚のNGMプレートに1mlずつS Basal Bufferを加えて、線虫を浮かせる。パスツールピペットで15mlプラスチック試験管に線虫を回収する。
10 約1分後、線虫が沈んだら、上清を取り除き*4、2 ml S Basal Bufferで1回洗浄する。
11 5 ml dH2Oで1回すすぎ、20ulほど残して上清を除く。
12 先を直径1.5mmに切ったチップを用いて、直線温度勾配装置上のTTXプレートに、線虫を1カ所につき5ulとり、3カ所のせる。個体数は100
〜300 worms / TTX plateとする。寒天の表面を傷つけないように温度勾配のないControl用TTXプレートにも、同様に3カ所のせる。余分な水はソフトティッシュで吸い取る。
13 水分が完全になくなり、拡散し始めたのを確認してから60分間、静置する。
14 TTXプレートを裏返し、ふたにクロロホルムを5ml加え、線虫を殺す。
15 それぞれの区画にいた線虫の個体数をかぞえ*5、TTX indexを算出する。
TTX index
= {(-4)・N1+ (-3)・N2+ (-2)・N3+ (-1)・N4
+ (+1)・N5+ (+2)・N6+ (+3)・N7+ (+4)・N8} / NTotal
Nn:区画nにいた線虫の個体数(n = 1〜8)
NTotal:プレートにいた線虫の総個体数
注意点
*1 NGMには2個体以上のせない。2個体以上のせると23℃飼育ではうまくいかない。
*2 プレートとアルミ板の中の空間を埋めないと、正確な温度勾配が形成されない。
*3 洗浄中に飢餓がかかるのを防ぐため。
*4 約1分待って個体が底に沈みきらないときは、その個体ごと上清を取り除く。
*5 個体の成長段階にばらつきがあるときは、adultの個体のみをカウントする。